投稿者:きみくら編集部

旧暦2月8日は昔の人達が神事を終え新たな「日常」の始めの日としてさまざまな事始(ことはじめ)の行事を行ってきました。暮らしの中でも多くの人々が新年度、新学年、新入社などを迎え新しい日常がスタートする季節になります。
この始まりの季節に春の陽気も近づいてくると、やっぱり遠くへ行きたくなる。
でも、ふとありふれた日常に目を向けると庭やベランダ、お家の周りにも小さな変化があることに気がつきます。草木の色や鳥の声、空の色や雲のかたち、普段あたりまえに思っていたことに感動を覚えたり。
いつもはキッチンで済ませてしまうけど、天気のいい日にはちょっと場所を変えてお弁当を詰めたり、急須や湯呑も風の通る縁側に持ち出すと何故か違う場所へ来たような新鮮な気分になれる。 りっぱなキャンプ道具を揃えなくたって、好きなものを美味しいお茶で食べれば自分の気持ちを十分満たすことができる。
日常に散りばめられたすてきなものたちと、私のなかの小さな旅がはじまる。
春爛漫のおべんとう

サクサクの春巻きに、筍の煮物、やさしい甘さのだし巻き卵と肉団子… お気に入りのお弁当箱に何を詰めようか考える時間や、蓋を開けるときのわくわく感、どきどき感はお弁当の時間をいっそう楽しいものにしてくれます。
今回のお弁当の主役は「おいなりさん」。浜松市で料理教室を主宰するsajiさんにご協力いただき、春にぴったりな 『桜いなり寿司』と『みかん酢いなり』のレシピをご紹介します。
目にも美味しいいろどり豊かなお弁当と少し濃いめに淹れたお茶と一緒に、見慣れた景色の中にもある春をみつけてみませんか。



『桜いなり寿司』と『みかん酢いなり』レシピ



作り方
- 1. 米は昆布を入れて、米と同量の水加減で固めに炊く。
- 2. 油揚げをまな板に置き、麺棒を転がし内側をはがして、半分に切る。
沸騰した湯で5分茹で、油を落とす。ザルにとって、水気を切る。 - 3. 鍋に煮汁を入れて煮立たせ、2 の油揚げを入れる。落し蓋をし、弱火で煮汁が少なくなるまで煮る。
- 4. 炊きあがった米を二つのボウルに移し、一つには桜ちらしの素を、もう一つにはみかん酢を加えて、切る様に混ぜる。
濡らした布巾をかけて冷まし、みかん酢いなりには、絹さや、いりごま、生姜の甘酢漬けを混ぜ合わせる。 - 5. 3 の油揚げの水気を手でやさしく絞り、油揚げを開いてごはんを詰める。
仕上げに、桜いなりには桜の花の塩漬け、みかん酢いなりにはいくらの塩漬けをのせて、出来上がり。