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初の本格抹茶に取組む

投稿者:丸山製茶 茶師・髙橋嘉伸

未知の領域に踏み込む、奥深い抹茶の世界

掛川は深蒸し茶の本場であるため抹茶の既製品を取扱うことはあっても、自分たちで製造するという経験は中々ありません。会社の方針もあって5年程前から本格的に抹茶の製造に取組むことになり、ようやく抹茶「貴美蔵」のような製品を世の中に出せるようになりましたが、とにかく始めの頃はとても苦労しました。
最初は右も左も分からず京都の抹茶加工を手掛ける老舗企業を訪ね、しばらく修行させていただきました。同じお茶と言っても歴史も文化も異なり、大変貴重な経験を積むことができました。「いい抹茶とは?」という問いに対しての基準は、この時に土台ができたと思います。

抹茶の製造工程には煎茶では欠かせない、「茶葉を揉む」という工程がありません。茶葉を摘採し蒸したら、葉が絡んだり重ならないように風で宙に舞わせるように吹き上げながら表面の水分を落とし、炉へと流し込んでその輻射熱によって火入れ・乾燥させていきます。そしてまず碾茶(てんちゃ)と言われる、粉末になる前の抹茶の原料が出来上がります。形状としては数ミリから1センチ角位の薄い青のりのようなものです。

(抹茶原料となる碾茶)

碾茶は一般的に市場に出回りません。製造・仕入できる限られた人たちだけがこれを手にすることができます。この碾茶の見極めをしっかりと出来るか、さらに複数の碾茶を配合しどのような抹茶を作るのか経験がなければとても務まらない仕事です。
京都で修行をさせていただいたといってもすぐに静岡の原料を使って同じようなものが出来るはずもなく、良いと思って仕入れた原料でも全く想像と違うものが出来上がってしまうことが何度もありました。

京都から持ち帰った抹茶と自分が製造した抹茶を比較しながら最初の1〜2年はとにかく試行錯誤の日々が続きました。何度も壁にぶつかる度に京都の方々へお電話したり、直接お伺いしてご指導いただくなどして助けていただいたのを覚えています。

生産者と共に静岡産の抹茶を作り上げる

(急峻な斜面に広がる川根の茶畑での作業風景)

昨年は、静岡の地元生産者と共に新設したSOMA(静岡オーガニック抹茶)の碾茶の加工工場が無事竣工し、 今年に入り本格的に製造を開始しています。このSOMAは川根という大井川上流の地域に位置し、年間約300トンの抹茶を製造できる設備が整っています。

昔から川根、天竜、本山など静岡でも、全国的な高級茶がつくられる産地にはいくつか共通項があります。 その1つとして寒暖差によって生じる生育環境の違いにより、 こうした山間の地域からは繊細で品のある香りや色が茶葉に出てくる傾向にあります。

静岡で本格的な抹茶を製造することになり、これまで扱うことがなかった産地で作られたお茶もたくさん見るようになりました。 静岡は言わずと知れた茶産地ではありますが、抹茶という視点で見るとまだまだ生産・加工・仕上、すべての工程が発展途上にあると思っています。

(左から抹茶 静岡、抹茶 貴美蔵、有機抹茶 静岡)

煎茶として優れた茶葉、抹茶として優れた茶葉を見極め、そして茶師として静岡での抹茶における加工や仕上技術を向上させていくことで自分としてはこれまでになかったお茶の魅力を発見できるのではないかと感じています。
静岡産と京都産の品質の高い原料を独自にブレンドして仕上げた抹茶「貴美蔵」、そして有機栽培された川根の原料を中心に作り上げた有機抹茶「静岡」などこれからも静岡の素材を活かして、京都の茶匠の方からも求められるようなきみくら独自の製品がつくれたらと思っています。

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茶師・髙橋嘉伸

1988 年静岡県袋井市生まれ。料理人の父に影響を受け調理専門学校へ。卒業後ホテルにて日本料理を担当。22 歳で丸山製茶に入社後、お茶の製造工程を一から学び茶師となる。2015年第9 回同一荒茶仕上競技会で最高金賞を受賞。料理経験を活かしペアリングメニューの開発や手揉みのお茶づくりにも取組む。

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